昨年末以来の弊社調査で、投資詐欺に使われているEAの多くが、ナンピンマーチンであることを知りました。
ナンピンマーチンゲールEAは、開発工程(ロジック設計、プログラミング、条件出し)も少なく、開発期間も最短です。数あるEA種の中で最も単純な分、最も危険なギャンブル手法です。
これ以上騙される方が減ることを祈り、下記にその基本的な説明をします。誤って流布された情報、知識が訂正されること、お役に立てますと幸甚です。
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ナンピン+マーチンゲール法を用いたEAとは その名の通り、
初手が逆行して含み損になった場合に、バックテストで抽出した固定値幅で、
マーチンゲール法に従って倍ロットでナンピンポジションをとり続けるEA
例えば1ナンピン目は、含み損の初手をホールドしたまま、さらに初手の2倍のロットで同方向にポジションを取り、合計として初手の3倍のポジションを持つわけだが、
★ 上記は、初手エントリーを損切って新たに3倍ロットのエントリーを行うことに等しい
ナンピンEAといえど、初手には何らかのエッヂ(=相場に対する優位性)の効いたエントリーポイントが存在するはずなのだが、
その3倍もの大きなポジションを持つ「単なる値幅で取ったナンピンポジション」には、
★ 何らエッヂが存在しないことに気付くはず…
同様に、2ナンピン目は通常、新たに4倍のポジションを追加するのだが、
上記のやり方なら、初手の7倍ものポジションをエントリーをすることになる
これは「すでに確認されているトレンドに逆らって」である…
★ 高々2ナンピン目でも、なんのエッヂもないポイントで「7倍」もの逆張り…
以降も同様に、前のポジションの倍々を固定値幅でポジションテイク
初手に比して何千倍もの大きな軍資金で、丁半博打の確率50%にかけるのであればまだ勝ち目はあるが、相場のトレンドに逆らったエントリーは常に50%以下
付け加えると、
★ 高いリターンを求めれば、必ずそれと同等のリスクを負う
ことになるのは誰もが知っていること
損切りのコントロールができる1ポジトレードとは違い、
★ ナンピンマーチンは最初の入り口から、100%の損切りという最大のリスクをとってエントリーしているのと同じ
であり、1ポジトレードとは全くの別物、比較の意味はないことがわかるだろう
エッヂがない手法であるが故に、結論として固定値幅のナンピン+マーチンゲールEAは、最後には全損して終わるということ