エクイティカーブからEAの「性格」と「性能」を簡易評価


資産曲線 Equity curve

MT4バックテスト(=Strategy Tester Report)の資産増減曲線(=エクイティカーブ)からだけでも、ある程度そのEAの性格と性能を推察することができます。

グリッドタイプとトレードタイプ、共に我々のEA運用には欠かせないモノですが、実はこれら以外にも一見きれいな右肩上がりのエクイティカーブを「演出しているEA」があります。

これらは実運用では全く通用しないモノがほとんどですので、それらを掴まされないよう、その違いについて具体例を挙げ、以下に解説します。

 

グリッドタイプとトレードタイプの定義

我々の自動売買運用では、EAの種別をグリッドタイプとトレードタイプの2つに大別しています。
グリッドタイプEAは、複数のエントリー・ポイントに対して紐付けられたひとつのイグジットで構成され、エントリーの精度よりはむしろロットコントロール(=ベッティング)に主眼をおいて運用成績をつくるトレード手法です。
ナンピンやピラミッディングに加え、マーチンゲールなどのベッティングにもルールがあるモノと言い換えることもできます。

対してトレードタイプEAとは、エントリーとイグジットが一対となっているものを指します。
レンジ逆張り、トレンド追従、スキャルピング、スイング等々、様々な言いまわし、細かな部分で取引手法は異なるように思いますが、ここではエントリーとイグジットが一対となっていれば、それらはすべてトレードタイプとします。

エントリーの精度を高めることにより、または損益比と勝率のバランスで資産を増やしていくモノ、あるいはその両方です。
グリッドタイプとは異なり、利益を積めるモノであれば容易に複利効果を狙えることが特長です。

 

勝率重視、利小損大のエクイティカーブ

 


 

 

損切りを評価していない詐欺レベルのエクイティカーブ

 


 

 

右肩上がりを演出している典型的な例

 


 

 

エントリーポイントを吟味しすぎの例

 


 

 

ワークした極めて短期間だけを見せている例

 


 

 

典型的なナンピン+マーチンゲール手法のエクイティカーブ

 


 

 

想定利益の何倍もの含み損を抱えるタイプ

 


 

 

ほぼ理想的なエクイティカーブ

 


 

 

玉石混淆

以上ここまで、未来の相場に通用する可能性が高いモノはどれなのか、同じ右肩上がりでもその違いがお分かりいただけたかと存じます。

「玉石混淆」、「味噌もクソも一緒」のこの業界、本書が皆様のEA選びの参考になることを願っています。